Vol.4「ウクレレとデリカシーの無いおじさん」

カツマーレー
まんぷく系ウクレレシンガーソングライター。カツマーレー&The SOUL KITCHEN/ビッケとカツマーレーで活動中。音楽教室「ウクレレキッチン」代表。
活動予定は…

  • ソロ弾き語り:1/21福島土湯温泉アラフドミュージック
  • カツマーレー&TSK:3/12東京下北沢mona records(ELEKIBASSとツーマン)
  • ウクレレキッチン:2/4大阪心斎橋カレー屋はらいそ(ウクレレワークショップと弾き語り)

明けましておめでとうございます!どうもカツマーレーです。

早速ですが、今回はお正月の思い出について書こうと思います。
僕の親戚の、あるおじさんの話です。
元旦におじいちゃん家の集まりに行くと、そのおじさんは、必ず子供たちをまとめて本屋に連れて行って好きなものを何冊か買ってくれたんですよ。
親戚が多かったので、子供たちと言っても結構な人数なんですよ!
ありがたいなーと思いながら毎年漫画を買ってもらっていたのを覚えています。

今思えばちょっと不思議なイベントでしたね。
残った大人だけでしかできない話をするためとか……?
いやいや純粋に本を読んで欲しいから?
あと元日に良く本屋さん空いていたなーって思いますよね。
とにもかくにも、毎年行われていた催しでした。

事件が起きたのは確か僕が中学生の元日です。

僕には同い年の親戚がいるんですね。
仮に名前を、ゆう君とします。
ゆう君はですね、ちょっとカッコつけだったんですね。
関西風に言うと「イキり」ってやつです。
本屋で好きなものを買っていい、って言われたってそりゃまぁ普通漫画じゃないですか、中学生なんて。
思春期のゆう君、その年はおじさんに小説を買ってもらおうとしたんです。イキって。
ところがですね、なんせ読書の習慣なんて無いので、どれを選んでいいか分からくなったんですよ。
困ったその視界に飛び込んできた「大ベストセラー!」のポップ。
これでいいや、とその大ベストセラーを手に取り、おじさんに渡すゆう君!

ゆう君は最大限にかっこいい顔で言いました。

「今年はこれが欲しい。俺、けっこう小説とか読むねん。」

みなさん、この小説、何だと思います?
ヒント!これは90年代後半の話です。
その頃の大ベストセラーと言えば……。
誰もが聞けば「あーっ」ってなると思います。

「失楽園/渡辺淳一」なんですね~。

ゆう君から失楽園(上下巻)を渡されたおじさんは悪びれずにこう返しました。

「ええけど、これエロ本やで!」

狭い本屋の中には、まだ小さい子の付き添いで来ていたお母さん連中もいました。
そんな血縁だらけの店内に、オブラートゼロのおじさんの声はブックオフ店員よろしく響き渡っていました(元日の「エロ本」はパワーワードすぎました!)。
ゆう君がおせち料理の海老ぐらい顔を赤くして、すぐに失楽園を他の本と取り換えたのを覚えています。

この情報は、「ゆう君がエロ本を買ってもらおうとした」というやや湾曲した形で親戚一同に即広まりました。
当然ご両親にも、です。
思春期のゆう君の心情は察するに余りあります。
僕はかわいそすぎてイジることすら出来ませんでした。

みなさんデリカシーのないおじさんには気をつけましょう。
そしておじさん、沢山の漫画をありがとう。

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