【映像リリース情報】これぞデルトロの真骨頂!!彼の映像美とクリーチャー愛が募ったアカデミー受賞、最多作品。「シェイプ・オブ・ウォーター」

監督 ギレルモ・デル・トロ
脚本 ギレルモ・デル・トロ
キャスト サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ

気持ちが悪いものは好きだろうか?

メキシコ生まれのギレルモ・デル・トロ監督。彼の作品は3つのモチーフで成り立っている。孤児・クリーチャー・血の色ような真紅がその作品にも共通して表現されている。彼は「パンズ・ラビリンス」で79回アカデミー賞でも3つの賞を受賞している。だが、当時日本ではミニシアターでの公開だけだった。正直あまり話題にならなかった。しかし、今回の90回アカデミー賞では最多受賞と作品賞を受賞し、話題にもなった。
彼の表現は奥深い。切なく、孤独で、ちょっぴり不幸で怖くあり得ないほど美しい。でもその世界観がとても愛しいと感じる人は少数派なのかもしれない。でも素晴らしい事に変わりはない。今回のリリースされた「シェイプ・オブ・ウォーター」はどのような作品なのか、あらすじを紹介しよう。

半魚人と平凡な女性の淡い恋

舞台はアメリカとソビエトの冷戦時代だ。清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザは地味で若くもなく、耳は聞こえるが話すことができない。仕事に行って帰っての繰り返しの平凡な毎日を送っていた。彼女は就業中に極秘実験を行われている「現場」を目にする。そこから彼女の生活にスパイスが入る。水中で生活する人間ではないものに単純な興味を持つが段々なんとも言えない感情が湧いてくる。人間ではないものの殺傷処分の話が決まり、彼女は仲間達の手を借りて彼を脱出させようと試みる。

幸せになってほしかった。

ギレルモ・デル・トロ監督はいつも不幸な運命に嘆くクリーチャー、半魚人を幸せにしてあげたかったのでこの物語を作ったというエピソードがある。
またイライザ演じるサリー・ホーキンスも華奢過ぎるし、地味で、若くなく、決して美人とは言えない。でも「恋をすると可愛くなる」と言う事を実感する程、時間がたつにつれ、段々彼女が可愛く見えてくる。半魚人の為に切磋琢磨したり、赤い靴を履いてウキウキする姿はとても可愛らしい。そして、二人の共通点は話せないこと。でもそのコミュニケーション手段がないがゆえに通じる「なにか」が彼らにはあった。本当の意味で幸せになったのか、それは作品を見てその目で確かめて欲しい。
それに反して地位もお金も子供も美しい妻も持っている。モノに満たされているのに心が満たされていない、そんなマイケル・シャノン演じるストリックランド満たされない寂しさを感じる。悪役として怪演している様も注目だ。

ストーリーを凌駕する映像美

彼の映像美へのこだわりは過去作から定評がある。グロテスクな表現もあるが、リアリティ溢れる描写と比喩して幻想的なクリーチャーや純粋無垢な幼い子どもの想いを描く事へのこだわりが群を抜いている。「シェイプ・オブ・ウォーター」もまた、水中での表現が美しく息をのんでしまう。水の中で浮遊する真紅のワンピースがまた美しい。半魚人が見る水の中の美しさを表現したのだろうか。その映像美がまたストーリーを際立て、作品のメッセージを強調させている。彼は映画監督でありながら、誰もが認める映像表現の芸術家だ。

地味かもしれない。気持ち悪いと思われる描写もあるかもしれない。なくていいんじゃないかと思う描写もあるかもしれない。でもそれを超えた映像で伝えられるリアリティと美しさをその目で目の辺りにして欲しい。