2016.02.27 京都METRO ライブレポート

京都の音楽レーベル、ライブハウス、ラジオ局、TSUTAYAなどがタッグを組み、京都から新しい音楽を発信するために立ち上げたプロジェクト「京音 -KYOTO-」。

今回は、初のコンピレーションアルバムの発売を記念して、2月27日と28日の2日間で4会場を巡るゴー・ラウンド・イベント「京音-KYOTO- 2016」を開催。アルバムに参加している過去のイベント出演者を中心に、国内外から多数のアーティストが出演! 27日にMETROで開催された夜の部には、全6組の若手アーティストが集結。転換中や終演後には、mogran’BARとFLAG RADIO DJがDJを展開。熱いアクトが繰り広げられた、当日の模様をレポートしよう。

先陣を切ったのは、京都のピアニスト率いる梅田隆之カルテット。

観客を釘付けにする、軽快なジャズを立て続けに披露。「Trail」でムーディに演出したかと思えば、「Shizuku」ではせせらぐように繊細な曲調から、ドシャ降りの嵐のように激しい展開をみせた。時々、メンバー同士で目を見合わせては、会話するかのようにリズムを刻む。ラストは「Lava」で、沈み込むようなウッドベースと弾けるようなパーカッション、力強いツインドラム、そして梅田の奏でるピアノの音が融合して、押し寄せる波のように会場をのみ込んでいった。

梅田隆之カルテット

kyoto_001_04

続いて、男女混成スリーピースバンドの加速するラブズが勢いよく登場。

いくみ(Dr/Vo)の突き抜けるハイトーンボイスと、カーミタカアキ(Gt/Vo)のセンチメンタルな歌声が混ざり合い、ポップなラブソングからアグレッシブなロックチューンまで幅広い楽曲を披露。おもむくままにドラムをドカドカぶっ叩いてはベースをうねらせ、ぶっといギターを鳴らす姿に大興奮。「これがバンドだ!」と言わんばかりの初期衝動を露わにして、誰よりもライブを楽しみながら、ロックンロールを愛していることが伝わってくるステージには思わずガッツポーズ!

加速するラブズ

kyoto_001_06

異彩を放っていたのが、台湾発の森林。

真っ赤に染まったステージで、ボーカルのJonがシンセとパーカッションを激しく打ち鳴らしながら、吠えるようにシャウトする。そして、ベースとドラムは不穏なリズムを繰り返し、轟々と鳴らされるノイズでアンビエントサイケな世界へと誘っていく。途中、Jonが英語で感謝を述べてからも、ストイックに刻まれるリズムは重厚さと迫力を増していき、次第にトリップしたような感覚に。これには昼からずっとイベントを運営してきた関係者も、疲れを吹き飛ばすかのように拳を突き上げて楽しんでいた。

森林

kyoto_001_01

今度は京都のインスト・トリオ、YYBYが登場。

森林のヒリヒリとした余韻が漂う中、ホームのMETROで迎え撃つかのように渾身のダブセットで観客を引き込んでいく。煙が立ち込めるステージでは、3人のシルエットだけが浮かぶ異様な光景が広がる。観客はそんなシルエットから放たれる、クールでディープな質感とミニマルなサウンドを全身で浴びながら身を委ねてユラユラと踊る。未体験の音の刺激を感じながら、ラストに鳴らされたのは「Echo sounds」。ドープな異空間へと飛ばされ、音が止むと気持ちが爆発したかのように会場から拍手喝采が巻き起こった。

YYBY

kyoto_001_03

一転して、抜けのあるローファイ・サウンドで観客を魅了したのは、東京や埼玉を中心に活動するTempalay。

「joe」、「Band the Flower」と矢継ぎ早に披露し、メロウなグッドメロディーにのせて歌い上げる。そして、発売されたばかりのファースト・アルバム「from JAPAN」からサイケデリックかつポップな楽曲を続々と投下。結成から僅か1年で出演を果たしたFUJI ROCK FESTIVALに向けて作ったという「Festival」では、クールな身のこなしに潜む沸々とたぎるソウルを感じた。そのまま最後まで、恍惚と高揚感溢れるサウンドを届けて、会場の沸点を更にぶち上げた。

Tempalay

kyoto_001_05

トリを務めたのはSeuss。

待ってましたと言わんばかりの歓声を浴びながら登場し、瞬く間に会場を自分たちの空気に仕立て上げる。キュートでご機嫌な楽曲「Sunny Girl」では、フロアを笑顔が咲き乱れるダンスホールに変えてみせた。3月9日発売の最新ミニアルバム「Today Was Good」から、「Dancing Stupid」も披露。どこか懐かしく優しいサウンドで包み込むポップな楽曲を、観客は肩を揺らして気持ちよさそうに聴き耽る。多好感溢れるひとときを生み出したかと思えば、谷本悠馬(Vo/Gt)がドラムセットに乗って轟々と鳴らす熱いアクトをみせる場面も。アンコールの「Wah-Wah」に至るまで、サイケなポップ・サウンドをコンスタントに鳴らし続け、あくまでも観客を気持ちよく躍らせて最高潮を分かち合おうとするステージは印象的であった。

Seuss

kyoto_001_04

こうして夜の部が終演し、余韻を噛みしめるかのようにDJが盛り立てる。そして、翌日2月28日に開催された nanoへとバトンは繋がれる。

文/大西健斗

kyoto_dics

京音 公式HP http://www.ky-o-to.com/index.html

kyoto_logo